12月作業日1回目

12月になって急に寒くなりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?湿地を考える会は今日も寒さに負けずにということで、12月の作業開始です。

保全区の草刈りです。保全区の池の奥の草を刈る作業となります。枯れた草を抜き取ると、緑色の地面が出てきます。え?冬なのに緑色?と思うでしょう。この緑色の正体はミズゴケです。園芸で、特にランをそだてている方なら、乾燥ミズゴケでお世話になっていることかと思います。そういったものは海外産ですね。

実は日本にもミズゴケは存在しています。そして同じようにみえるミズゴケでも、細かく見ると種類があるのです。オオミズゴケは代表的な存在ですが、イボミズゴケやハリミズゴケと言うのもありますし、生きたミズゴケならば海外産のムラサキミズゴケが派手に紫色になることから好まれる印象があります。

花が咲くわけでもない、目立つわけでもない。でも湿地にとっては縁の下の力持ちと言える存在であると言えるでしょう。ミズゴケには貯水機能がありますからね。その上にシラタマホシクサなどの植物が育つのです。

観察会では私はミズゴケを毎回触ってもらっています。言葉で表現するとしっとり水を含んでもこもこしています。が、百聞は一見に如かずです。ぜひ観察会で実際に手触りを確かめてください。

枯れ草を除くと、緑色の地面 ミズゴケの群生

草刈り後はシラタマホシクサの種を落とすために、このようにシラタマホシクサの花茎を上においておき、落ちきったタイミングで回収するのです。

←ミズスギ( Lycopodiella cernuum)とトウカイコモウセンゴケ→

ミズスギは一見コケのように見えますが、実はシダ植物。由来は杉の葉のような見た目であること、そして湿った場所に出てくるからミズとついているのです。因みに、湿地にかかわる植物は水に関係する言葉がついているものが多いのです。サワ・ミズ・スイetcが該当しますね。

本来の集まりの業務はここまで、ここからは第二ラウンド。時間があるときは会長のお手伝いをして、より湿地に対する理解と作業内容を覚えておくのです。

今月もしくは来月に、再生区に草刈りの作業が入るのです。これは業者さんにお願いしておりますが、その際に大切な植物に目印をつけるのと、刈りやすいように道を作るのです。道は水の流れに沿うように作ります。この時期ともなると、水の冷たさが染みてきますが、張り切ってやりましょう。

一見すると植物が生えていて普通の草地かと思いますよね。しかし、この植物の下は泥、赤錆色の泥が覆っています。湿地ですからね。管理されているのでここはありませんが、最悪抜けなくなるほどに深い泥に覆われる場所もあります。いわゆる底なし沼というやつです。例えば北海道の湿原のやちまなこ等がそれに該当します。

とは言うものの、ここでも十分深いです。抜け出せなくなる可能性はあります。そうなると誰も助けられないので、慎重な活動が求められるわけです。

除草作業中、おや?なにやら種のようなものが浮かんできましたよ。

これは湿地の植物、アギナシのむかごです。愛知県内では割りと自生しているようですが、国レベルだと準絶滅危惧種に選定されています。

アギナシは夏の暑い時期に白い花を咲かせ、種もできますが、むかごも作ります。枯れるとこうやって水面に浮いてくるのです。水の流れに任せて新たな場所に子孫を残していくのですね。

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